会はすでにこれへの反省と改革の時代を迎えており、開発教育、平和教育、人権教育など、国際理解教育分野の内容が教育課程の中で取り上げられており、環境教育の内容にも、これらの考え方が取り入れられている。 我が国でも盛んに国際化時代と言われているが、しかし教育の中身について見ると、英語を中心とした外国語教育が主であり、国際的感覚を育成する内容が学校教育課程には依然としてあまり盛り込まれていない。 これからの国際舞台においては、経済大国としての日本の責任が一層強く問われ、政府や民間においても、地球的ニーズに日本が自ら積極的に応えるという形の環境問題の解決・自然生態系保護への取り組みが求められてくると考えられる。 冷戦終結後の国際社会は民族問題による各国の内戦に象徴される、異人種・異民族・異宗教間の紛争問題の台頭が起こっている。我が国の環境教育においても、国際社会における環境教育の到達目標と同様に、世界の環境問題を解決するための行動者を育成することを目指一していくのであれば、当然、異なる思想や民族との対話、合意形成能力など、人間関係に関わるトレーニングのような、他者や異文化の価値観を理解する能力が必要になってくる。島国国家である日本においては、この点にいかに配慮してバランス良い日本型の環境教育体系を構築するかが、教育の改革の一つの鍵を握るといっても、過言ではないだろう。
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